無人契約機のさきがけとなったむじんくん

ごく当たり前にみんなが使っている無人契約機。その代名詞ともいえるのがアコムのむじんくん。

90年代に登場して以来、爆発的な普及を見せた無人機の体験レポをご紹介します。

無人のブースで誰にとがめられることなく、ゆったりとした気分で審査を受け、お金を借りられるなんて本当だろうか。業者はどんな基準で、どこを見て、お金を貸すのだろうか。

私が行ったのは、池袋のビルにあるアコムの「むじんくん」だった。

エレベーターのドアが聞き、3階に着くとすぐにATMコーナーで、その奥が「むじんくん」のブースだった。7坪ほどはあるだろうか。私が訪ねたのは金曜日の午後だったが、すでに先客が二人いて長椅子に座り新聞、雑誌を読んでいる。ブースには誰かが入っていて手続き中のようだ。すりガラスになっているから、ブース内の様子はよくわからないが、待合室はソファといい、雰囲気といい、どことなく床屋を連想させる。

待っているのは職人風の20代の若者と40歳すぎの男性。中に入っているのは若い女性のようだ。

一人の審査に約30~40分はかかるというから待つのも結構忍耐がいる。そう思って覚悟していると、近くの店からアコムの店員がやってきて、「お急ぎの方は店のほうで審査しますが、いかがですか」といった。監視カメラで客の込み具合を見てやってきたのだろう。その誘いに男性はすぐについて行ったが、私と若者は「機械のほうがいい」といって断った。

それから待つこと一時間弱で私の番になった。ブースに入ってみると、どこかのOAオフィスのような清潔さだった。タッチパネル、イメージスキャナー、カード発行機が並んでいて、最先端技術が埋め込まれたブースという印象。タッチパネルの手前がちょうど机のようになっていて、申込書などを書きやすい構造になっている。

その前に座ると、「お客さまのプライバシーを守るために自動ドアのロックのスペースを押してください」とのアナウンスがあった。タッチパネルの上を指で触るとすぐにドアがロックされた。画面に触るだけでドアが閉まるのでなんとなくうれしくなる。それにドアロックで一人きりになれるのがいい。

タッチパネルの上の小窓(マジックミラーになっている)にカメラがあってそこから私は監視されているようだが、店員の顔が見えるわけではないのでぜんぜん気にならない。すると、アナウンスが流れて、自宅、勤務先に照会してもよいかどうかを聞いてくる。すぐにOKをすると、今度は身分証明書の提出だ。免許証を右側のスキャナーの上に置き、読み取ってもらう。それから手元の入会申込用紙に住所、氏名などを記入していき、審査が本格的に始まる。

質問項目は月収から始まり、他社からの借入額、住居(アパートか持ち家か)、家賃、居住年数、保険(社会保険か国民保険か)などである。さらに貸出額は新規の場合は50万円が限度(どの消費者金融も同じ)の確認。そうした作業を終えると、店側の審査となり、その聞はしばらく待つことになり、タッチパネルを押すと心地よい風景の映像が流れてリラックスできた。

この間、店のほうでは、信用情報センターに問い合わせて他社での借り入れを確認、同時にブラックリストの照合などを行っているのだ。
こうした審査に10分ほどかかり、パスすると、今度は機械から契約書が出てきて、それへ記入し、書き終わったら、送り返し、写しはこちらが保管する。そうした手続きが終わってやっとカードの発券となる。

カードを受け取ると、さっそくエレベーター前のATMに行って現金を引き出すことができた。
私はなんとか審査にパスして、店員に会ってじろじろ見られながら審査を受けるのではないので、どこかすがすがしい気持ちでブースを後にすることができた。

この爽快感が利用者に受けているのだと実際に利用してみてわかったのである。それにしても、「むじんくん」を操作している聞はとても楽しかった。お金を借りようとしていることを思わず忘れてしまったくらいだ。そして、この素早さ、消費者に対するニーズのくみあげのうまさ、研究熱心さが消費者金融が伸びつづけている秘密なのだと実感した。